恋愛04 恋愛は危険を伴侶とするロマン | 対内言語と、対外言語と!

恋愛04 恋愛は危険を伴侶とするロマン

            恭子


■前回までの記事:

恋愛01 恋愛とは不思議なもの……!

恋愛02 子供の頃に味わった美味しい果物の味

恋愛03 二、三年の放蕩で失われる美味しい果物への味覚


最初にロマン風の詩を紹介しましょう。

『Music』

Music, When soft voices die, Vibrates in the memory―― Odours, when sweet violets sicken,

Live within the sense they quicken. Rose leaves, when the rose is dead,

Are heaped for the beloved's bed; And so thy thoughts, when thou art gone,

Love itself shall slumber on. ―――

『音 楽』

音楽は、やさしい声が嗄れてしまっても、 記憶の中に響いている――

香りは、かぐわしいスミレがしぼんでしまっても、 活気づいた感覚の中で生きている。

バラの花びらは、バラが枯れてしまっても、 積み重ねて最愛の人の床になる。

だから君がいなくなっても 愛そのものがまどろむだろう。 ―――  


この詩はシェリーのものです。

危険な恋愛をした人間の格好な例として、このイギリスロマン派詩人、パーシー・B・シェリー(Percy. B. Shelley :1792~1822)がいます。

彼はサセックス生まれで、社会制度の矛盾を突いたり、革命思想を持ち、匿名 で出版物を出したり、大学を追放されたりと、自由を熱望し、ダイナミックな詩を数多く残しました。

私生活においてのシェリーは、妻子のあった21歳で16歳のメアリー(『フランケンシュタイン』の作者)と駆け落ち、後にシェリーの妻は投身自殺、彼自身も30歳で水死してしまいます。    


シェリーは放蕩に対して激しい嫌悪感を抱いていました。一方で、性格的に抑えがたい激しい恋愛感情を抱く人物でもあった。世故に長けた年長者は言うでしょう。


「放蕩への激しい嫌悪も、恋愛への激しい感情も、どちらも若い紳士を墜落させるに十二分なものだ」  


もし彼が極めて月並みに、十年ほど不道徳な放蕩三昧の生活をし、しかも最後に身分ある婦人と結婚していたら、友人たちにあれほどまでに不愉快な思いをさせることはなかったかもしれない。  


これは見当はずれな憶測でしょうか!



■参照サイト

・Percy Bysshe Shelley概説 "Set Phi"

パーシー・B・シェリー(P.B.Shelley)の詩と詩人紹介

メアリー・シェリー - Wikipedia