対内言語と、対外言語と! -6ページ目

≪ 女性自身≫1月6日発売 見出し一覧

ヨン樣「初微笑み」!-<秘>プライベートなお姿を独占撮!  

「見っけ!」をギッシリ<10>!!-年末年始ハプニングショット-  
お顔は晴れやか!-新年一般参賀  

愛される男、目指します!-最旬男子から新春書き初め色紙プレゼント

好きな日本語は「こだわり」  
「アルゴ船」があなたの願いをかなえます!-オリジナル開運カード

萌えましておめでとう!-絶対注目の各界イイ男たち青田買い名鑑24  
「見せたい財布」vs.「使える財布」-買い換えて金運刷新!  

丸かじり通信/あったかグッズとあったかフードで冬の楽しさ倍増!  
雅子さま願い続けた「海外ご公務」ご夫妻早春の新たな<旅立ち>
決意/森昌子-新居購入で実家売却、三男入試で熱血お受験ママ奮闘他  

韓流STAR通信/両親と水入らず充電生活と06年の誓い-ヨン樣他  
松田聖子自伝本「発売中止」の内幕!-聖子さん私はあなたを許さない

女子フィギュア4選手<秘>素顔に密着!-強さと華やかさの秘密は?
ムロイの闘う「お財布」/今週のお値段¥37万円  
モコROAD/撮影現場の<緊張感>について

25歳の「恋愛遍歴」と「これから」-<06新年>優香独占告白  
「子連れ離婚」-断ち切られる親子・訪ね、会う親子  

今年は偶数&大数字狙いで勝負-ロト6驚必勝法公開!第25弾  
ナイスな「メガネ男子」を熱く語ろう!  
シリーズ人間/父に捧げた奇跡の歌-報われない人生を賛え続けて

2006年の運命は指紋でわかる-鶴亀<陰陽>占い
家計超防衛/完売した個人向け国債は本当にトクなんですか?

邦ちゃんの愛のお弁当箱/ローストビーフ祝い弁当  
ウォーキングダイエット/鼻呼吸スワイションで体脂肪を燃やそう!  
「習ってみたい」探し/石亀明子さんのカルトナージュ教室

アーユルヴェーダでヤセる!-正月太りは癒して解消  
山本有花の主婦が増やす株トレ!/持っていない株を売る?  

風邪は「<守る>が勝ち!-体調を崩しがちなこの時期に朗報!  
舞台/独身なのは冬ソナのような世界ばかり追い求めていたからかも
SONGS/簡単に妥協できなかった。だから最後の一行の詩に半年-

サプリ/音楽や絵と違って小説は、誰にも知られずに書けるから  
<皮ごと焼きくだもの>でハイパワー美肌&ダイエット  

家と男と猫/気力体力知力財力、すべてを振り絞って・・・・・・。  

「絶望」を「希望」に変えた女の生き様に触れてみませんか?
初春/南果歩&渡辺謙-養子縁組で親子「再出発の日」笑顔を目撃!他  

みちのく青空説法/亡くなった人の魂は愛する人を巡り歩いている-  

名作「飲酒運転講習ビデオ」に大号泣!-『水戸黄門』コンビが熱演

東大卒のカレと結婚しました!-パツイチ・子持ち・体重103キロ  

ウチの犬がいちばんカワイイワン!-芸能人8人うちのワンちゃん自慢
今年こそ「野菜の達人(ソムリエ)」になる!  

だきしめて・・・-匂いたつ男の色香に国際俳優の風格が  

拝啓ジーコ樣日本代表は「ルックス」で1次リーグを勝ち抜けますか?  

2人の<ヨン様>が奏でる『冬のソナタ』の<ラブソング>  
江原啓之さんのスピリチュアル受験サポート
江原啓之さんの受験で力を出し切るスピリチュアル護符&レシピ  

もう話さない!-「夫婦の記念日」手つなぎデートをスクープ撮  
<福>笑顔!-「邪気」を祓います  

「手作り」のメニューです-吉川紀代子<毛糸料理>は超リアル!

06年・・・翼をさらに広げてはばたきます!-今年の誓いは・・・

---Excite エキサイト : ニュース ---

≪フライデー≫ 1月6日発売 見出し一覧

ニッポンの人気者/小泉首相-<ポスト小泉は小泉>の仰天計画を始動  

ニッポンの人気者/雅子妃-「一般参賀の笑顔」と「離婚騒動」の真相

ニッポンの人気者/松井秀喜-全日本4番よりヤンキースを選んだ理由  

ニッポンの人気者/米ツアー本格参戦「Vのカギは新アプローチ」

ニッポンの人気者/杉村太蔵-「イブの夜」を一緒に過ごした相手  
ニッポンの人気者/みのもんた-今年は報道キャスターでいきます  

ニッポンの人気者/小泉の<ほめ殺し>に胃腸が悲鳴をあげた!?  

ニッポンの人気者/<一発屋>危機を「セイ!」する<新ゲイ風>  

ニッポンの人気者/堀江貴文-ホントに!?「武富士」買収  

ニッポンの人気者/北海道日本ハム・ダルビッシュ有、小野伸二他  
ニッポンの人気者/オリックス・清原和博、亀田興毅、琴欧州他  

ウッチー「テニスde<恥>爆笑ボディランゲージ」

<NHK紅白>アイドル歌姫たちが魅せた「オフショットSMILE」  

トリビアな日々(75)/浅田真央はトリノ五輪に出ないのが正解?

安藤美姫「トリノでぶっつけ」<超>異例な内幕明かす  
<伏魔殿>国会職員の「呆れたムダ遣い&厚遇」暴く  

吉岡美穂、新たなる<フトモモ>伝説-美脚女王の限界SEXY  

<ビーチバレー天使SEXY特撮>浅尾美和、プライベート・ショット

長谷部優、キャバ嬢フェロモン-元気アイドルが深夜ドラマでオトナ  

巨乳アイドル「私たちのオッパイ自慢」-愛衣、かでなれおん
海川ひとみ、ロリエロ勝負-メイドコスプレ&ビキニで挑発ッ!

矢部美穂、絶頂エクスタシー-加藤鷹とベッドで<ガチンコ>  

<06年要注目>「NEWな28社」の業績と待遇を大公開(1)

<06年要注目>「NEWな28社」の業績と待遇を大公開(2)

マネー/新春「株初め」はこの<21銘柄>で急騰狙え!  
決定<大学ナンバーワン美女>はこのコだ!-ミスキャンパスが大集合

決定<大学ナンバーワン美女>はこのコだ!-同志社大・高田裕美  

山陽新幹線が危ない/JR西日本の反論「高架橋は健全」は大ウソ

JR羽越線<特急脱線>「突風は予測できた!」-死傷者37人の現場  

ヒューザー小嶋社長「口封じ逮捕」のXデー  

「北極振動→豪雪ブリザード」で東京「積雪5m」<危機>  

エビちゃん&伊東美咲が「春を先取り」

永遠のアイドルが肉体改造!?小泉今日子、意外な豊乳披露  

順大・難波が大ブレーキで亜大が箱根駅伝初優勝!

株価は2万円目指す?東証で大発会  
「竹中大臣の片腕」木村剛氏に重大疑惑浮上

和の一品/廣瀬の「牡蠣の握り」  

  ---Excite エキサイト : ニュース---

郵便物再考

「クリスマスなどの忙しい時期にアルバイトを雇うが、毎年”チョロマカシ”が出る。これを防ぐことは正直できない。その方法がない。最初から、”それをやろう”としてやってくる人はいない。しかし、やっているうちに、『こんなに人がいて、こんなに郵便物がある中で、俺がどれか一つをチョロマカシてもばれないだろう』、大丈夫だーこれが動機・・・仕分けの方法に問題があることはわかっている。何かいい方法はないか」

「チョロマカシがばれないと言う事は」

「受取人の知らない差出人からのダイレクト・メールがチョロマカシはお手上げだ。差出人は勝手に出すし、受取人は出されたことも知らない。双方から『配達されていない旨』の連絡は来ることがない。発覚は主として受取人の『こういう郵便物を発送したのですがご覧いただけたでしょうか』とするケース・・・郵便局に限らず配送会社にもし会社からその旨の確認をすれば『言い掛かりをつけているのか』となるケースも多く、また被害が多大ならいざ知らず、少数なら『そのことで互いの信頼関係に傷を付けたくはない心理』が働くので、『そうですか。発送したのですが、こちらの不手際でしょう。もう一度発送し直しますのでお読みになっていただきますか』が関の山」

「チェック体制を取ればいいじゃないですか」

「そのいい方法はないか」

「面倒くさい」…アルバイト高校生、年賀状など雪の中 もこのケース―もちろん仕分けでなく配達だが、チェックがないという意味で同じ―『住民2人から「年賀状が1通も配達されない」と苦情があり発覚した』のである。

 私の住む宜野湾市所在の普天間郵便局の課長などは開き直りの天才で、「配達物は受取人に行かず、あなたに配達されたのあなたの責任だ。なぜなら、あなたは使用された郵便物を使用し、わざと仕分け人や配達人が間違うよう行っているのではないか」

 確かに私は一度使用された郵便物の封筒を再利用したりしている。それは主として事務的郵便物に使用していて、事務以外の郵便物は新しい封筒を使用している。この遣り方は普天間郵便局課長によれば「わざと間違いを起こすための手法」だとしたわけである。

 確かに彼の主張の通り、相手の宛名をそのままにしているのであれば、「どちらかな」とする間違いを起こすであろう。しかしマジックなどで消した宛名へ仕分けしたり配達することは、消されていない宛名へ仕分けしたり配達することより難しいことだろう。

 

 その難しいことは出来るが簡単なことはできないとする主張なのである。

 しかし私は普天間郵便局課長の主張を無視、郵政公社に直接、課長の意見が正しいのかどうか電話で尋ねた。

「そういうことをお客様に強制するようなことは一切行っておりません。そういう失礼な局員が存在しているのであれば、管轄の相談所の相談してもらえませんか」ということだったが、沖縄県では相談したとしても―今までもそうだったから―どうにか身内をかばえないか論法を展開されるので、嫌気がさしている私は「それならばいいです。犯罪ではなく、課長の意見通りに行うべきか否かを尋ねただけですから」

 どうやら日本郵政公社の職員教育法は、「連絡があったことについては調べて犯罪にしろ。そうではなく大量のダイレクト・メール等の部分的紛失等々は『言い掛かりは止めなさい』と受け応えよ」であるらしい。そうであるから普天間郵便局課長のように、会社等々に対しての模範返答がつい個人客に対して出たしまったとも解釈できる。

 つまり彼等日本郵政公社には「仕分や、配達における不備」への「改善」の意思は全くないのである。もしこのチャックを万全にしてしまえば「公然と行われていると推測できる身内の犯罪を”言い掛かり”とする論法を失う」ことになるではないか。 

 民営化―不完全民営化だがーされたのをいい機会に、郵便局の利用を止めることをお奨めする。彼等はチャック体制を甘くし、また長年培った「相手の言い掛かりにする論理の保全」を幸いに、蜥蜴の尻尾斬りで「被害者は職員、これも人員の確保において」―郵便物の独占占有を許していたのが原因だが―等々と自己責任を棚上げ、つけを国民にまわして来たその体質を変える意思は微塵もなく、身内をいかに庇うか論法に磨きをかけることに日夜精進しているようである。

 蟻の開けた小さな穴でもいつかダムが決壊する。たかだか年賀状如きの紛失で「郵便局を利用しないことの奨め」だなんて大袈裟なだと思ってはいけない。いつかは我が身に降り掛かる災難かもしれない。大きな付けを払わされるのは財務省だけで十分ではないか!

 年賀状の新しい伝達方法、または、年賀状に変わる新文化の創出、その時期に来たようである。「民営への出発式」と総裁 年賀状、6年連続で減少  『来賓の竹中平蔵総務相が「民営化は間違いなく国民のためになる。しっかりと準備に当たっていただきたい」と述べた』

 年賀状「面倒」55%、メール代用52%肯定 世論調査

 郵便物を巡る事件事故は多いようだ。

 同日正午すぎ、マンション住人から「年賀状が届いていない」と安佐南郵便局に連絡があった。同局員が調べたところ、十八世帯のうち三世帯で年賀状が紛失していた。 〈事件事故〉マンションで年賀状盗難 広島 

 

 総務省は、はがきや封書の配達事業に民間が参入する条件などを定めた信書便法について、法改正を含めた制度見直しの検討に入った。麻生総務相が、民間参入に義務付けた郵便ポスト10万本設置を含む条件全般を見直すよう指示した。総務相は7日の閣議後記者会見で「市町村合併などで少し事情や環境が変化してきているから、(参入条件緩和を)スピード感をもってやれと指示した」と語った。

 小泉首相は4日の参院予算委員会で信書便法について「(参入条件を)見直していい。できるだけ参入しやすい環境をつくるべきだ。10万本が固定されることはない」と述べていた。

  「郵便ポスト十万本」見直し 民間参入へ法改正検討 10-18 02:25:43

 逆にポスト廃止を検討すべきではないのか。

 2日午前1時10分ごろ、兵庫県宝塚市中山寺の市道にある郵便ポスト投函口から煙が出ているのを近所の無職女性(29)が発見、消防へ通報した。

 この女性、普通ですね! 「ポスト設置反対派」の自分ならば「あっ、ポストさんも寒いんだ。白い息を吐いている」とその場を通り過ぎただろうと思う。

 約10分後に火は消し止められたが、中に入っていた年賀状などの郵便物442通すべてが焼けるなどの被害に遭った。県警宝塚署は何者かが火の気のあるものをポストに投げ込んだとみて、器物損壊容疑で捜査している。

  〈事件事故〉 年賀状など442通被害=郵便ポストから煙-兵庫・宝塚

 5日午前5時40分ごろ、千葉県船橋市三咲の郵便ポストが汚れているのを、年賀状を投函しに来た近所の女性が見つけた。郵便ポストに汚物=年賀状に恨み?、器物損壊で捜査-千葉

 これらの事件(?)の再犯を防ぐことは出来ない。ポストに郵便物の以外の物を投函させないポストの開発は不可能だろう。あっさりポスト設置を止められばいい。これが自分がポスト設置反対派の理由の一つであり、もう一つは「消費者は誰か」の問題だ。

 民営の配達会社においては「消費者の方へお伺い」が常識である。にも関わらず「消費者の方が来い」と言わんばかりの「郵便ポストの設置」において増やすことを考えているのは時代錯誤ではないか。 

 ところで郵便ポストには二種類ある。

①「日本郵政公社が設置した郵便ポスト」:平成15年度末時点での設置数186,200本です。

 上記の法令改正案によれば、これの1・5倍乃至はそれ以上の設置数を政府は考えているというわけである。

 ところでこの郵便ポストの設置基準は、通常、四百メートル(住宅密集地では二百五十メートル)以内にポストがなく、二百件以上の利用が見込まれることが必要とされている。

 ただし、「日本郵政公社法」には、『郵便局の設置義務は定められている』ものの、郵便ポストについての定めはない。

(郵便局)
第二十条:公社は、前条第一項第一号から第五号までに掲げる業務及びこれらに附帯する業務を行うため、総務省令で定めるところにより、郵便局をあまねく全国に設置しなければならない。

   ⇒ 【日本郵政公社法


 郵便局職員が集め易い場所への設置、これが主であり、「郵便物の保全」については一切の考慮はなされていない。そのため道路のすぐ傍にほとんどの郵便ポストは設置されている。

②「日本郵政公社以外が設置した郵便ポスト」:ポストの前面に「私設」と表示することが義務づけられている。これについては、特に設置基準がないが、取り集め費用を郵便局に支払うことによって設置される。

 ポストの代金と取集料(取集め回数と設置場所により年額8万円~24万円)を負担できれば、個人でも設置できる。


 この法律の趣旨は簡単に言えば「郵便局職員の利便が第一、消費者は二の次、三の次、利便が欲しければ金出せ」とする姿勢である。 

 日本郵政公社九州支社は2日、宮崎県延岡市の延岡郵便局で封書やはがき約2260通に西暦と月日の順番を逆にした消印を押すミスがあったと発表した……本来「06、1、1」のところを「1、1、06」とした。ミスに気付き、あて先が宮崎県内の424通分はおわびの付せんを張り配達したが、県外分は既に発送済みのため、そのまま配達される〈事故事件〉2200通に日付消印ミス 宮崎県・延岡郵便局

ダイエットblog(ブログ)

 美肌ブームによる「コラーゲン・ブーム」で豚と沖縄料理が持て囃され(『ためしてガッテン:過去の放送:美肌長持ち大作戦 [1] コラーゲンの真実 』)、そして今、カロリー控えめダイエット・ミート「ジンギスカン」がブーム(『ジンギスカン - トラックバック・ピープル 』)、ある食材の増減の鍵を担うのは男性から女性へと移行したようだ。

とは≪季刊誌「考える人」≫での話題!

 食材不活用でと考えている人には⇒『ダイエットを続ける力になる - ダイエットblog(ブログ) 』がある。

 ダイエット専用のブログで、自分もデブで後ろ髪を引かれる思いで、今、そのブログを通過して来たばかりだが、開設するかどうかはまだ・・・・・・。


≪季刊誌「考える人」≫ 2006年冬号(定価1400円) 発売中!

「考える人」は1月・4月・7月・10月の年4回刊行です。

考える人URL http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/
編集部 Email  kangaeru@shinchosha.co.jp

■■■俵万智「考える短歌」募集中!■■■
 歌人・俵万智さんに、あなたの短歌を読んでもらいませんか?
http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/tanka.html

≪大晦日、デパートの衝撃≫―「考える人」編集長 松家仁之(まついえまさし)

 あけましておめでとうございます。お正月休みはいかがでしたか?


 大晦日の夕刻まで押し詰まると、スーパーや八百屋では雑煮用の小松菜が品切れ、などという悲劇がしばしば起こります(ちなみに東京のお雑煮は、とり肉と小松菜のお澄まし風が定番です)。欲しい野菜がない、ということほど情けなく、心もとなく、悲しいものはありません。


 とくに小松菜はとり肉との相性が絶妙で、ほうれん草では代役が勤まりません。

 

 沖縄には雑煮を食べる習慣はありません。しかし復帰後(72年)は大和風正月がほとんどの家庭で行われるようになり(以前は陰暦)、また雑煮を食する人も増えて来ています。

 お雑煮は一年の無事を祈りお正月に食べる伝統的な日本料理です。沖縄を除く日本各地でお雑煮を食べる風習があります。餅の形やだし、具の種類にいたるまで、地方や家庭ごとに千差万別です。 お雑煮|日本文化いろは事典 より

 お雑煮に限らず東京の味が無性に恋しくなることがあります。とにかくここでは一に油、二に油、三四がなくて五に油ですから。

 大晦日の夕刻、あの店ならばと見当をつけていたところで品切れだったときの驚きと絶望、そして諦めず何軒か店をはしごして(こういうときに限って、同じ食材が同時に品切れになることも、このときに学びました)、立ち寄ったことのない小さなスーパーでやっと見つけた小松菜が、いかにも残り物ふうでも手を合わせたくなるものだったことは忘れられない思い出です。


 日本人の衝動買いならぬ同時買いは、あの「トイレット・ペーパー騒動」で再認識されたのではないか。きっと隣の子が持っているのに我が子が持てないのは可哀相という親心のせいではないか。

 美肌ブームによる「コラーゲン・ブーム」で豚と沖縄料理が持て囃され(『ためしてガッテン:過去の放送:美肌長持ち大作戦 [1] コラーゲンの真実 』)、そして今、カロリー控えめダイエット・ミート「ジンギスカン」がブーム(『ジンギスカン - トラックバック・ピープル 』)、ある食材の増減の鍵を担うのは男性から女性へと移行したようだ。 

 野菜はなるべく新鮮なものを、とは思うものの、品切れの悲劇は避けたい。以前の失敗に学んで、去年の暮れは、必須の食材は30日に近所の家族経営の八百屋で購入済みでした。立派な三浦大根も手に入れて、なます作りの態勢も万全。大晦日は「仕上げ」の段階です。


 今年初めて試してみることにした予約おせちの引き取りが最後の締めくくりとなり、少しばかり浮き浮きした気分で銀座へと出かけました。


 引き取り時刻は正午以降。午前中早々には銀座に着いたので、「おせち」の受け取りの前にデパートに寄ってみることにしました。


 私はそれほどデパートに出かけるタイプではありません。子どもの頃は最寄りの新宿伊勢丹が行きつけのデパートでした。玩具を買ってもらったり、洋服を買ってもらったり、プチモンドで洋食を食べたり……晴れがましい思いをする場所はいつも伊勢丹でした。


 今はデパートで衣服を買うことはほとんどありませんし、食事が目的でデパートに行くこともありません。


 ではあるものの、たまにデパートに出かけるのは今でも何となく心弾むものがあります。それは子どもの頃に刷り込まれたものなのかもしれません。


 現在の私の贔屓のデパートは銀座松屋です。理由はふたつ。松屋はデパートの規模がそれほど大きくないこと。巨大デパートは、目的を果たすためだけでもかなり歩かされますし、すれ違う人の数も多くなり、デパートを出る頃には混み合う街を歩いた後のような疲れを覚えます。


 気がつくと目が血走っていたりもします。


 松屋はワンフロアがどう構成されているか把握しやすいですし、売り場の様子もコロコロと変わらず、目的がはっきりしている場合には滞在時間が最短で済み、使い勝手がいいのです。


 もうひとつの理由は趣味の領域ですが、7階で僅かながらデンマーク家具を扱っていること(ただ最近は以前より扱う家具の種類が減ってきた様子なのがちょっと残念。1998年に亡くなった建築家・宮脇檀さんも、たしか70年代に銀座松屋でデンマークの椅子を手に入れたことをどこかにお書きになっています)。


 都内ではここ数年で北欧家具を扱う店が飛躍的に増えたので、どうしても松屋でなければ手に入らない、というものはなくなりました。しかし修理にも丁寧に対応してくれますし、セールでは意外なお買得もある。だから松屋に来ると、どうしても7階を覗かずにはいられません。


 そしてデンマーク家具を扱う売り場に続いて、デザイン・コレクションのコーナーも必ず立ち寄る場所です。こういうコーナーも昨今では珍しくなくなり、松屋よりもっと種類も数も揃えている場所があります。しかし定番の雰囲気を醸し出すのはやはりここ、という感じがします。


 十年以上前に、池袋の某巨大デパートで北欧家具やモダン・デザインの品物を扱う売り場が出来たのに驚いたことがあります。


 売り場の男性と話していたら、銀座松屋を定年退職された方がその売り場を任されていた、とわかり、なるほどと納得したこともありました。


 大晦日、午前中の銀座松屋は、意外なことにお客さんの姿はちらほらでした。いつものコースをゆっくりと巡って、これならば地下の食品売り場も覗いてみようとエレベーターで降りてゆくと、これもガラガラとは言わないものの、ゆっくり品定めできる混み具合なのです。


 例年は年賀のお菓子は花びら餅と決めていたのですが、これも今回は松屋の「デパ地下」でいつもとは違う和菓子を手に入れることになりました。


「デパ地下」の強みは試食してから買えること。いつもの老舗の和菓子屋さんには試食はありません。


 そして一番驚いたこと。野菜売り場の充実度です。近所の八百屋で入手して安心していた三浦大根一本の値段が、なんと200円も安い! 小松菜も新鮮なものがまだたくさん並んでいました。京人参もいいものが揃っています。生椎茸も実に立派。デパートで野菜を買うなんてことは考えもしませんでした。


 デパートから野菜を入れた袋をぶら下げて出て来るのは何か変、と意識していたのだと思います。


 それはデパート=高い、というイメージから来ていたのかもしれません。しかしそれは予断と偏見であったなあ、と考えを改め、反省しました。デパートも世に連れて、変貌しているのですね。


 ふだんは近所の八百屋さんを引き続き利用しようと思いますが、来年のお正月用の野菜に限っては、おせちの受け取りとセットで、銀座「デパ地下」にしてみようかな、と気持ちが動いています。


 おせちを受け取った店(これは銀座松屋ではありません)では、待っている間にお汁粉のサービスがありました。受け取りに来た人と相席で食べるお汁粉がなんともおいしくうれしいものでした。共通の目的で来ているお客さん同士が笑顔で見交わす独特な感じも、ちょっと晴れがましい。


 お店のおかみさんに笑顔で見送られながら店を後にする――大晦日の雰囲気がふっとふくらんだ瞬間でした。

 これはデパートでは味わえない一軒家の「お店」の力。


 とはいえ、大晦日がデパート再発見となったのは間違いありません。そういえば「考える人」で連載している山川みどりさんは、自称「デパ地下の女王」。今度お会いする機会があったら、もう少し「デパ地下」についてレクチャーを受けてみることにしましょう。


 美味しいものが大好きな山川さんは、都内各所の「デパ地下」事情にかなり通じているはず。


 銀座松屋の評価がどの程度のものなのかはぜひ一度、しっかりと聞いてみたいものです。

≪BBC WORLD≫ー番組情報

【2006年のリニューアル番組】

◆クリック -Click-

 BBCワールドが2006年、装いも新たに送るハイテク情報番組「クリック」。新たに司会を務めるスペンサー・ケリーが、毎週、世界中から最新技術や新開発情報をお届けする。第1回目は、ハイテク分野の新興勢力の座を確立した中国から。

 この国の携帯電話文化や発売間近の最新電化製品、そして、巨大な家電ショッピング・モールを取材する。また、ユーザーに一部のウェブサイトの閲覧を禁止している中国市場の闇の部分を探る。

1/6(金)05:30~06:00、18:30~19:00
1/7(土)15:30~16:00
1/10(火)01:30~02:00
1/11(水)22:30~23:00


◆ハブ・ユア・セイ あなたならどう思う? -Have Your Say-

 BBCがメディアミックスで送る討論番組「トーキング・ポイント」が、2006年、新たな名前で登場する。毎週の主な国際ニュースに関する重要なゲストを迎え、テレビ・ラジオ・インターネットを通じて、世界中の人々と討議する。

*英語放送のみ
毎週(日)★23:05~0:00
毎週(月)04:30~05:00

・今週のテーマは、ウェブサイトでご覧下さい
 
http://news.bbc.co.uk/haveyoursay (英語)

【週末のおすすめ番組】

※番組情報は、www.bbcworld-japan.com

◆境無き医師団 最前線を行く  -Doctors On The Frontline-

「国境亡き医師団(MSF)」と共に紛争地域、ハイチ、ソマリア、ホンデュラス、スーダンを行く。国境亡き医師団の一員という立場から、医療設備のない場所で支援を実施する為に奮闘する人々の姿を追うシリーズ。

 ■第1話 ハイチ   -Haiti-

 2004年12月以来、国境無き医師団は、ポルトープランスでセント・ジョセフ病院の外傷センターを運営している。ここで治療を受けている患者の3分の1は銃による負傷者で、続いてナイフによる負傷者が多くを占める。

 

 2005年3月末までに、セント・ジョセフ病院で治療を受けた銃による負傷者は、1,000人以上に上る。その数は今もなお増え続け、1日当たり約8人が新たに治療を受けている。

 1/7(土)★16:30~17:00、22:30~23:00
 1/8(日)06:30~07:00


◆ブリット・ポップ・ストーリー  -The Britpop Story-

 1995年8月、イギリスのバンド、ブラーとオアシスがチャートで大接戦を演じた。この戦いは音楽ファンを二分し、ブリットポップ(ブリティッシュ・ポップス)の魂」という大きな議論に発展した。

 ジャーナリストで、権威あるブリットポップ研究書の著者ジョン・ハリスが解説し、ブリットポップの歴史を1992年から詳細に描く。

1/7(土)★17:30~18:00
1/8(日)0:30~01:00、21:30~22:00
1/9(月)05:30~06:00

◆ディスティネーション・ミュージック 音楽をめぐる旅  -Destination Music-

 モロッコ、ニューヨーク、アイルランドやキューバなどで行われる世界の音楽祭を特集する。様々なジャンルの音楽紹介と著名なアーティストへのインタビューを通して、音楽の文化的な影響力を明らかにする。

『聖音楽祭(モロッコ)』、『マリアッチ・フェスティバル(スペイン)』、『国際ジャズ・フェスティバル(キューバ)』、『ダウ諸国フェスティバル(ザンジバル)』など。

1/7(土)★05:30~06:00
1/8(日)10:30~11:00
1/9(月)18:30~19:00、22:30~23:00
1/10(水)01:30~02:00


◆ピアニストをめざせ -Being A Concert Pianist-

 現代のピアニストであるということはどういうことか?アラン・イェントフが、「イギリス青少年音楽家コンテスト」で優勝した12歳の少年ベンジャミン・グローブナーを取材する。彼は、学校の勉強のほかに毎日数時間の練習をこなす。

 また、ニューヨーク『ジュリアード音楽院』の、才能ある若きピアニストたちをカメラが追う。エリート育成の世界には目を奪われるが、頂点に到達できない者はどうなるのだろうか?

1/7(土)★23:10~24:00
1/8(日)07:10~08:00、19:10~20:00
1/9(月)03:10~04:00

◆アース・レポート  -Earth Report-

 過去にいくつもの賞に輝いたBBCワールドの環境番組が、帰ってきた。2006年は、地球の環境保護のために困難な仕事に従事する活動家たちをより深く紹介してゆく。

 初回は、人々の技術革新や企業の取り組みで、電力に頼らず、いかに地域に燃料を確保するか、や、裕福な国が代替エネルギーを供給する方法などを紹介する。太陽光や風力発電、低公害練炭は、エネルギー供給の代替案として採用されている。

1/5(木)18:30~19:00、22:30~23:00
1/7(土)01:30~02:00
1/8(日)15:30~16:00


◆トップ・ギア -Top Gear-

 世の中にはいろんなタイプのポルシェがあって、どれをどうお薦めしていいのかわからないのがトップ・ギアチームの悩み。そこで今回は、ポルシェを四輪駆動と二駆に分けて、サーキットで性能を調査。どちらのタイプが高成績をたたき出すのか。

 また、ジェレミーは、ホイール制作の舞台裏を訪ね(まるでスニーカーのデザイン現場のよう!)リチャードは英国のスポーツカー専門メーカー、マーコスの新車に挑む。

1/7(土)★18:30~19:00
1/8(日)01:30~02:00、11:30~12:00、22:30~23:00
1/9(月)06:30~07:00


◆トーキング・ムービーズ -Talking Movies-

 2ヵ月後にせまったアカデミー賞を前に、ハリウッド最大の祭典にオスカー像を手にするのは誰か?を予想する。

 ロンドンで有名なキャバレーを舞台にした‘Mrs Henderson Presents'のジュディ・ディンチ、「ザ・コンスタント・ガードナー」で政治スリラーに挑んだレイフ・ファインズなど。また、ウッディ・アレンが、スカーレット・ヨハンソンを主演に迎える新作「マッチ・ポイント」の紹介など。

1/6(金)01:30~02:00、22:30~23:00
1/8(日)12:30~13:00

【放送内容やストリーミング(英語)は、www.bbcworld.com/talkingmovies

≪NIKKEI ELECTRONICS WIRE SERVICE≫  2006年1月5日号 

――「日経エレクトロニクス」雑誌サイトから――

<今日のblog>

▼あけまして,おめでとうございます

 あけまして,おめでとうございます。旧年中は『日経エレクトロニクス』ならびに『Tech-On!』をご利用いただきまして,ありがとうございました。今年もスタッフ一堂,仕事に役立つ情報をお届けしてまいりますので,よろしくお願い申し上げます。

続き⇒

 http://techon.nikkeibp.co.jp/NE/?ref=ML


<今日のお奨めチャート>

▼基礎研究は他社より遅いと負ける

チャート⇒
 
http://techon.nikkeibp.co.jp/NE/rep/060105/ref=ML


<今日の用語>

▼左手系材料
 ある周波数帯と波長帯の電磁波にとって,誘電率(ε)と透磁率(μ)が共に負となる材料のこと。人工的に設計した微細構造により,材料全体で特異な性質を生み出すものであるため「左手系メタマテリアル」と呼ぶこともある。…

続き⇒
 
http://techon.nikkeibp.co.jp/NE/word/060105.html?ref=ML


――今日のお奨めニュース――

<< CES速報 >>

●【CES】ポカポカ陽気のラスベガス,米Yahoo!や米Googleの基調講演を予定
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060104/112018/

●【CES】米国家電市場,2006年の規模は1354億米ドルに拡大へ
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060105/112024

●【CES】東芝がHD DVD内蔵パソコンやプレーヤを披露,2006年3月に発売へ
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060105/112031/

●【CES】韓国LG Electronics社もBlu-ray Discプレーヤを2006年春に投入へ
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060105/112030/

●【CES】パイオニア,Blu-ray Discプレーヤを5月に製品化へ,価格は1800米ドル
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060105/112029/

●【CES】Skype搭載の無線LAN端末をNETGEARが披露
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060105/112034/

●【CES】「1チップ・ワンセグと1チップDVB-H」米TI社のHollywoodがベールを脱ぐ
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060105/112032/

●【CES】3.6Mビット/秒のHSDPA対応ケータイ,Samsung社が出展
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060104/112016/

●【CES】韓国LG,MediaFLO対応ケータイを初公開へ
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060105/112023/

●【CES】「Certified Wireless USB」がいよいよ1チップに,米Staccato社が
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060104/112014/

●【CES】米Freescale,無線版USBの推進団体「Cable Free USB」を立ち上げ
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060104/112013/

●【CES】1インチ型ディスクで外形寸法が小さいHDDを開発中---米Seagate社に聞く
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060105/112033/

●【CES】シャープ,電力線通信対応の「AQUOS」を開発
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060105/112028/

●【CES】このデジタル・デフレ時代に,実は価格上昇トレンドが…
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060105/112027/

●【CES】携帯型MP3プレーヤは人気ナンバーワン
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060105/112026/

●【CES】HDDレコーダはDVDレコーダを圧倒的に凌駕
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060105/112025/


<< 2005年下半期トップ10 >>

●【下半期トップ10】LSI情報局編
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051228/111992/

●【下半期トップ10】デジタル家電編
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051228/111990/

●米Linear社,輝度を最大3000対1に調光可能なLEDドライバICを発表
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060104/112022/

●「SO902i」「P2403」「N600i」など,ケータイ新機種がJATE認定を通過
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060104/112020/

●Rambus社とAMD社,特許ライセンスの5年契約を締結
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060104/112019/

●「デジタル家電は今後,Webサービス型になる」--米UIEvolution社CEO
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051228/112007/

●日立,東芝,ルネサスの3社,独立ファウンドリー事業の企画検討を共同で開始
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051228/111994/

●パイオニア,Blu-ray Disc/DVD記録装置を2006年1月下旬に出荷
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051228/111991/

『Sognavo di venire qui sin da bambino』-冥王星・・・

Sognavo di venire qui sin da bambino.
[ソンニャーヴォ  ディ  ヴェニーレ クイ スィン ダ バンビーノ]



       冥王星



子供の頃からここに来ることを夢見ていました。
[kodomono korokara kokoni kurukotoo yumemiteimashita]

★italiano!イタリアーノ!
 http://www.mars.dti.ne.jp/matsuken/italiano/

≪模倣犯≫宮部みゆき---女性は結婚に憧れるのではなく・・・!

 模倣は人類の遊びの一つである-他に、競争・眩暈・偶然がある- 
 
 人は前の世代の持つ知識を模倣することで、繁栄する道を得た。
宮部 みゆき
模倣犯〈上〉
宮部 みゆき
模倣犯〈下〉
 女性は結婚に憧れるのではなく、結婚式に憧れるのである、という名言がある。

 女性が結婚式に憧れるのは人類の常なのかもしれない。しかし現代はマス・メディア時代、男もまた結婚式に憧れているそうだ。

 なぜか! 彼等の人生目標は「他人から注目を集めること」だからだ。昔なら銀幕の、今ではテレビなどのスター・・・同じ思いの男たちの、あの結婚式でのはしゃぎ様はそういう動機からである。


 しかし、スターになれる男は限られている。注目も束の間だ。式の後の夫はひたすら人生の下り坂を転げ落ちる。何で注目を集めよう・・・・・・!

 

出版社/著者からの内容紹介>


 公園のゴミ箱から発見された女性の右腕は、連続女性殺人事件の犯人からの宣戦布告だった。比類なき知能犯に挑む、右腕を発見した少年と孫を殺された老人を待ち受ける運命とは? 魂を抉る驚愕と感動の3551枚!

 公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた連続女性殺人事件のプロローグだった。比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不適な挑発を続ける犯人――。

 が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見される、事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。死んだ男の正体は? 少年と老人が辿り着いた意外な結末とは? 宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。


内容(「MARC」データベースより)>

 公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。それは「人間狩り」という快楽に憑かれた犯人からの宣戦布告だった。比類なき知能犯の狂気に立ち向かう第一発見者の少年と孫娘を殺された老人、二人を待ち受ける運命とは?

 メディア社会での男の人生・・・模倣・・・快楽・・・注目!<著者略歴>


宮部みゆき。

1960(昭和35)年、東京生れ。

1987年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。1989(平成元)年『魔術はささやく』で日本推理サスペンス大賞を受賞。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞を受賞。1993年『火車』で山本周五郎賞を受賞。1997年『蒲生邸事件』で日本SF大賞を受賞。1999年には『理由』で直木賞を受賞した。

他の作品に『模倣犯』『ブレイブ・ストーリー』『ぼんくら』『孤宿の人』などがある。

宮部みゆき公式ホームページ (大沢オフィス「大極宮」) http://www.osawa-office.co.jp/  

 この作品は映画にもなった→Yahoo! JAPAN - 映画「模倣犯」オフィシャルサイト

評判は芳しくないようだ。 


≪スープ・オペラ≫阿川佐和子

阿川 佐和子
スープ・オペラ

 トバちゃんの店は、もうずいぶん前からお客さんがほとんど来なくなっている。昔のように街の洋装店で服を作る人はいなくなってしまった。そのかわりにリフォームの注文が来るようになった。多くて日に十人、ひどいときは一日一人なんてこともある。

 いずれにしろ単価が安いので、たいした収入にはならない。しかしそんなことをトバちゃんはいっこうに苦にしない。苦難が顔に表れにくいタチなのだ。

 でも私にはすぐわかる。献立が変わるからだ。経済的に苦しくなると、トバちゃんは決まって鶏のガラを買ってきた。いちばん頻繁だったのは私が高校生の頃で、二週間に一度ぐらいのわりだった。

 それも、肉屋さんを半ば恐喝し、なるべく身の多くついているガラを手に入れる。

「ルイ、見てごらん。こーんなにお肉のいっぱい残っているガラ買ってきたよ。このお肉をこうやってはがせば、ほーら、こんなに取れる。これで今夜はチキンライスを作るからね。残りはスープにして。大ごちそうだね、ルイ。これ全部で79円だぞぉ」

 鶏ガラに関してトバちゃんは天才だった。そのみごとな工夫の数々は、『暮しの手帖』に発表しても話題になるのではないかとさえ思われた。

 一羽分の鶏ガラの、あちこちにへばりついている身を丁寧にこそげ落とし、細かく叩いてそぼろ煮を作ったり肉団子にしたり、ネギと一緒に卵でとじて親子どんぶりを作ったり。さらにすっかり骨だけになったガラをたっぷりの水でコトコト煮てスープを取る。

 このスープでだいたい一週間はもつ。

「覚えておきなさい。鶏ガラスープは栄養満点なの。これさえ作っておけば安心なんだからね。お雑炊もお粥もできる。そのままご飯にかけてお塩とこしょうで味付けして、海苔をパラパラってのせるだけで、おいしいスープご飯もできちゃうんだから」

 思えば私は素直な子だった。お粥も雑炊もスープご飯も、みな似たり寄ったりなのに、トバちゃんにまくしたてられると、なるほど鶏ガラは何品もの料理を生み出すことができる魔法の骨だと感心した。

 トバちゃんの作るスープご飯はたしかにおいしくて、ちっとも飽きることがなかった。食べる前に採点するのも楽しみの一つである。

 スープが完璧に澄み切っていて、なかのご飯の一粒一粒が透けて見えるときは「二重丸」。ところがたまに濁っている場合がある。そのときは、「三角!」。

 トバちゃんにも自覚があるらしく、「ミシンに熱中してたら沸騰させちゃったの。一度沸騰させると濁るのよねえ」と、素直に失敗を認める。

 どんなに美しく澄み切ったスープを作ることに成功しても、毎日温め直しているうちに、どうしても白濁していく。

 スープのなかで行儀良くうずくまっていたガラが、長湯をしすぎた老婆のようにふやけ、骨もバラバラに崩れてしまう。そうなるとトバちゃんは、「白いスープは中華風」と言って、具に春雨や白菜や椎茸などの野菜を加え、新たなメニューに仕立て上げる。

 しかも、「ここまで煮込むと骨も食べられるのよ。ガラってホントに無駄がない」と満足げな顔でニンマリ笑う。

 そんな堅実トバちゃんのおかげで私は無事に高校を卒業できた。いよいよ働きに出て家計を助けようと思ったら、卒業する半年前になって唐突に、「あんたはなんとしても大学に進みなさい」とトバちゃんがいきり立った。

 もう学校はいいよ、早く社会に出たいよと、いくら言っても聞いてはもらえず、結局、妥協案として短大へ進むことにした。

 結果的には短大での二年間は楽しい思い出になったし、その後、私立大学の事務局に勤めることにしたときも、たまに合コンをするときも、「短大出」という肩書きが案外有効であることを知り、トバちゃんの言うことを聞いておいてよかったと思った。

 そういえば合コンでショックなことがあった。あれはたしか二十六歳の夏休み前だった。男女三人ずつで中華料理を食べ、二軒目のバーでなんとなくできあがった三組のペアがそれぞれ並んで座って焼酎のウーロン割りを飲んでいたときだ。

 私とペアになった大学病院の薬剤師が言った。
「ルイさんって、エラ、張ってますね」
 驚いた。生まれてこのかた、エラの張った顔だと指摘されたことはない。
「え、あたし、エラ、張ってます?」
 私は反射的に顎に手を当てた。
「いや、悪い意味で言ってんじゃないんですよ。エラ張ってる女性って貴重だと思うんですよね、今の時代」

 男は慌ててフォローしたが、まったくフォローになっていない。すると彼の隣にいた、いかにも脳味噌の軽そうな新米外科医が割り込んできて、甲高い声で言った。

「こいつ、ホント、変わった趣味なんっすよ。丸より四角いほうがいいって。な、いつもそう言ってるよな、お前」

 もし私が不治の病になっても、絶対コイツの世話にだけはなるまいと心に決めた。

 その夜、私は少し落ち込んで家に帰ると、トバちゃんはテレビの深夜番組に見入っていた。ためしにさりげなく訊いてみた。私はエラが張っているかと。そうしたらトバちゃんは、小さな目を見開いて、言ったのだ。

「あったりまえじゃない。だってあんた、あたしの姪よ。血つながってるんだもん。今まで気づかなかったほうが不思議なくらい。ま、あたしと一緒にいたから目立たなかったのかもね」

 そんなこと言われても納得できない。自慢じゃないが、私は何度も、オードリー・ヘップバーンに似ていると言われたことがあるのだ。そうトバちゃんに食い下がると、

「あら、偶然だ。あたしも昔はよくオードリー・ヘップバーン似だって言われたわよ。特に『昼下りの情事』のときの彼女に似てるんだって。あの人もエラ張り美人だもんね。あたしたちと同じだよ。自信持ちなさい」

 そしてトバちゃんは、エラが張っている人間のほうが骨が丈夫で長生きするとか、我慢強いから金持ちになるとか、力持ちが多いとか気だてがいいとか、論拠のあるようなないような話をたくさんして私を慰めてくれた。

 以来、私は合コンから足を洗った。急に興味が失せたのだ。すると妙なもので、たちまち恋人ができた。

 二十六歳の九月のことだ。彼は同じ大学の事務局に勤める、私より五歳年上の人で、長らく挨拶を交わす程度の仲だったが、たまたま帰りが一緒になり、話してみたら予想外に意気投合した。

 

 スネ夫というのが彼のあだ名で、本名が純男(すみお)であるうえに顔も似ているからと、小学校の同級生につけられたそうだ。そう言われればたしかに逆三角形の顔のつくりや切れ長で一重の目が似ているような気もするが、性格がひねているような印象はない。

 話してみると素直で優しくて、上目遣いで人の顔を窺う癖があるけれど、あの漫画のキャラクターとは似ても似つかないと思われた。

 二人がつき合っていることは、余計な噂になるのが面倒なので仕事場では内緒にしていたが、トバちゃんには報告し、つき合い始めて一ヶ月ぐらい経った金曜日の夜に、家に連れていって紹介した。

 トバちゃんはとても喜んで、さっそく得意の鶏ガラスープでもてなしてくれた。

 その頃はもう、私の収入もあったので、トバちゃんの店がたいして儲からなくても経済的には苦しくなかったが、トバちゃんは相変わらずいつもの肉屋さんで肉厚の鶏のガラを買ってきてはスープを取っていた。

 もはや鶏ガラスープを作るのはトバちゃんの趣味だった。私の誕生日や卒業式、初任給をもらった日など、記念的な日になると、いつも私に訊いてくる。
「今晩、何にしようか」
 訊かれるので、あれこれ思い巡らせるのだが、私が答える前に、
「よし、やっぱりスープご飯にしよ。最近作ってないし。あんた、大好きだもんね」
 そう言われると、いやとは言えない。
「どお、お口に合うかしら」

 スネ夫の隣に顔をすり寄せて、トバちゃんは何度も味の感想を求めた。トバちゃんとしては遠慮がちに訊いているつもりらしいが、スネ夫がスープをスプーンですくって一口すするたびに同じ質問をし、その都度、緊張気味のスネ夫は何か言おうとして必ず咳込む。

 咳込むから答えにならず、トバちゃんがまた訊き直す。それでもサービスが足りないと思ったか、「味が薄いかも」と言いながら無理矢理、塩を勧めたり、「辛くしてもおいしいわよ」と七味唐辛子を横から勝手にふりかけたりと、お節介を焼き続けた。

 私はその夜、スネ夫が帰ったあと、トバちゃんと喧嘩をした。スネ夫は明らかに気分を害していた。そうでなければスープご飯とニース風サラダとチキンカツを食べ終わり、コーヒーを飲んですぐに暇乞いをするわけがない。所要時間はたったの一時間半。

 六時半に来て、きっかり八時に帰っていった。もう遅いからなんて、八時のどこが遅い。
「連れてくるんじゃなかった」
 私は暗い声で呟いた。
「じゃ、外で食事してくればよかったじゃないの。スープご飯じゃ失礼だったってこと?」
「そうじゃないよ。でも、もっとそっとしておいてくれればよかったのに」
 トバちゃんが食卓のお皿を片づけながら、言った。
「あたしはそっとしておきましたよ」
「してなかったよ。質問攻めだったじゃない」
「だってルイの好きな人がどんな人か知る権利はあるでしょうが。保護者なんだから」
「でもあんな根ほり葉ほり。出身はどこ? お父さんは何する人? 兄弟は何人? 好きな食べ物は? 趣味は? って。初対面の人に訊きすぎだよ」
「訊いて何が悪いの。スネ夫さんだってちゃんと答えてくれてたわよ」
「答えてはいたけど、絶対、不愉快だったと思う。だからさっさと帰っちゃったんだもの」
「じゃ、あたしがスネ夫さんを不愉快にさせたって言いたいの?」

 あの晩は、二人とも興奮していた。なにしろ十年ぶりの事件である。中学三年生のとき、クラスメイトで好きだった男の子を家に連れてきて以来の快挙だ。トバちゃんが張り切るのも無理はない。

 私にしても、短大を卒業して大学に勤めて、久々にやっと見つけた恋人だったのだ。この恋を逃したくない。一週間後、スネ夫は予想通り、気まずそうな顔で私に謝った。
「すみません、ぼくたち、友だちでいるほうが……」

 弱火にして、静かに煮込まれていく鶏ガラスープを見ていると、昔のことをいろいろ思い出す。あれから九年経ち、今では大学でスネ夫にばったり会っても、胸がチクチクしなくなった。あんな弱虫で根性なしの男となんか、別れてよかったのだ。

 ただ、今後自分はどういう人生を送るのかと思うと、少しだけ不安になる。
「なに、浮かない顔してんのよ」
 隣の部屋で縫い物をしていたはずのトバちゃんがいつのまにか隣に立っていた。
「びっくりしたー。やだ、脅かさないでよ」
「あ、驚いた? もっと驚くことがあるんだけど、聞きたい?」
 トバちゃんは妙にウキウキしている。
「なにその、うれしそうな顔」
「聞きたい? 聞きたい? さあ、何でしょう。聞いたら驚くぞー」
 じらして何を言う気なのだろう。私は玉じゃくしを振り上げて、怒るふりをした。
「もう、聞きたいから早く話してよ」
「じゃ、発表します。私、この家を出て行くことに決めました。オトコができちゃったの」
 ケロリと言ってのけると、トバちゃんは鼻歌を歌いながらスープの味付けを始めた。


 第2話 残された部屋
 
 トバちゃんが出ていった。五月のよく晴れた日の朝、本当に出ていってしまった。

 物心ついて以来三十数年、トバちゃんと私はずっと二人で生活してきたのである。なのに、こうあっさり別れることになろうとは思ってもいなかった。

 この家を出るとすれば、当然、私のほうが先だと思い込んでいた。それが世間一般の常識というものだ。親がわりのトバちゃんを残し、私が巣立つ。ところが現実は逆だった。

 残されたのは私のほうである。

≪ 阿川佐和子 (あがわ・さわこ) ≫

 1953年、東京生まれ。慶應義塾大学卒。

 報道番組のキャスターを経て渡米、1年間アメリカで暮らす。帰国後、エッセイスト、インタビュアー、司会者として活躍。

 1999年、『ああ言えばこう食う』(檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、2000年には『ウメ子』で坪田譲治文学賞を受賞した。

◇◇◇書評二題◇◇

※ 『阿川佐和子はホント、うまい』(北上次郎/文芸評論家) 

 阿川佐和子の小説のうまさに今さら驚いていてはいけない。坪田譲治文学賞を受賞した『ウメ子』は、みよちゃんとウメ子の幼稚園生活を鮮やかに描いていたし(特に個性豊かなウメ子の造形が抜群)、数年前に上梓された『屋上のあるアパート』は、ウェブマガジン編集部に勤める二十七歳の麻子を主人公にした都会派軽恋愛小説の傑作だった。

 その『屋上のあるアパート』を評したときの末尾を引く。

「『屋上のあるアパート』と『ウメ子』は、ジャンルの異なる小説ではあるけれど、この二作を読むと共通性があることに気づく。食べるシーンがことさら多いわけではないのだが、強い印象を残すのである。『屋上のあるアパート』の試食パーティーの場面、あるいは『ウメ子』に出てくるマカロニサラダなど、阿川佐和子が描くと、とっても美味しそうなのだ。肉感的といってもいい。ならば、次なる作品は、ぜひとも料理小説、あるいは食事小説を書いていただきたいと思うが、どうか」

 おお、自分で自分を褒めてやりたい。というのは、今度の『スープ・オペラ』はまぎれもなく料理小説なのである。いや、こういう書き方は誤解を招くので言い換える。料理の場面が前二作に比べて圧倒的に多い。控えめに、そう書いておくにとどめる。

 タイトルにもなっているように、その中心はスープだ。たとえば、ルイが、トニーさんと康介と三人で共同生活を始めることになったとき、その条件の一つに「食事当番は、かならず一日に一品、スープを加えること」という条項を入れたほど、このヒロインはスープにこだわっている。トバちゃん(ルイを育ててくれた叔母で、電撃的な恋をして家を出ていく)の鶏ガラスープで育った影響がずっと残っているのだ。トニーさんと入った洋食屋のガスパチョも美味しそうだが(これはレシピつき!)、その意味でこれはスープ小説といってもいい。

『スープ・オペラ』は〔ソープ・オペラ〕(アメリカの連続通俗ドラマ。石鹸会社が提供したのでこう言われる)にかけたタイトルと思われるが、したがって美味しそうなスープが次々に物語に登場してくる。

 ヒロインのルイがひょんなことから、放浪の老画家トニーさんと年下の青年康介と三人で共同生活を始めることになるのが物語の縦糸で、さまざまな料理とスープが横糸だ。

 トバちゃんを始めとするわき役の造形が例によって群を抜いているが、なんといってもヒロインのルイがいい。トニーさんとすごく深刻な話をしているとき、トニーさんが「ご飯をスプーンですくってスープのなかに入れ、スプーンの背でペタペタ押さえ、スープに浸している。その上に、数滴、お醤油とレモンを垂らし、さらに七味をふりかけた」のを見て、このヒロインは「おいしそうだ。私も真似してみよう」と思っちゃうのである。繰り返すが、深刻な場面なのである。重大事なのである。「私も真似してみよう」なんて思っている場合ではないのだ。それなのに食欲が勝ってしまうのだから、爽快なヒロインといっていい。『屋上のあるアパート』を思い出す。ゴリラ男と仕事のために食べ歩く麻子は、彼への感情が恋なのかどうかわからず、二人きりになると緊張するものの、レストランに入ると恋の感情が食欲に負けてしまって、そんなことはどうでもいいやと思ってしまう。麻子はまず食べようと思うのである。ルイもまた、そういうヒロインだ。こういうヒロインを描くと、阿川佐和子はホント、うまい。いや、美味すぎる。

 小説家井上豪の講演中の台詞をここに並べれば、この小説の意図も見えてくる。彼はこう言うのだ。

「人間と人間の出会いというものは、そこに恋愛感情とか特別の感情が付随しない場合でも、あるいは関わった期間がどれほど長くても短くても、それには関係なく、人生にとってかけがえのないものになる場合があるということです」

 ルイは三十五歳。結婚願望がないわけではないが、なんだかなあという思いの中にいる。そのルイが「恋愛感情とか特別の感情が付随しない場合でも、あるいは関わった期間がどれほど長くても短くても、それには関係なく、人生にとってかけがえのないものになる」奇跡と遭遇するのがこの物語なのである。軽妙な物語であるのに読み終えても胸に残るのは、その奇跡がまぶしいからだろう。いい小説だ。

 ”週刊ブックレビュー ”でも書評家の吉田伸子さんが取上げていた。特に、「鶏ガラスープは美味しそうで、そのレシピを知りたいなあ」と感心、それに応じて司会の中江有里も”云々”と頬を緩ませながら頷いていたのが印象に残っている。

 釣られて自分は「日本のスープで一番美味いのは、どういうスープだろうか」と書評そっちのけで考えてしまった。結論、京都産の大根の葉と塩と水・・・・・・!

 

< 本の内容 >

 テレビでもおなじみの著者が、ちょっと不思議な、男女3人の恋模様を描いた長編小説です。

 5月のある日、35才のルイは、一緒に暮らしていた叔母に置いていかれ、一人暮らしを始めることに。ようやく一人にも慣れ始めた頃、突然、派手なアロハシャツを着た白髪の男が現れます。「トニー」と名乗るその男と、知人の紹介で知り合った青年・康介。いつの間にやら、3人はルイの家で一緒に暮らし始めます。

 トニーさんはルイの生き別れの父親では?

 ミステリーの味わいもちりばめられた、新しい感覚の恋愛物語です。

 人は社会で長年生きて、垢や埃ばかりがつくのでもない。自分というスープに溶け込む具(相手)によって、オペラのような舞台にも人生はなるのだ!

 

 そう思わせる作品!